≪2011年10/21〜11/24 インド修行の回想記です≫
はあ・・・これでなんとか到着できそう。
タクシーの中で手足を伸ばしてリラックスしました。
いやぁ、しかし、今回のインドは最初から、「試される」なぁ〜。 大変だったー。
空港では、荷物もあり、人もたくさんいるし、機内は窮屈だし、次の目的地につけるかどうかわからなかったので、緊張の連続でしたが、タクシーの中は身体をリラックスできて快適です。
やっと、ほっと、一息つけました。
英語が通じないドライバーの運転を見ながら、なぜかこの、見知らぬ土地で、このタクシーに乗ってる運命が、楽しくなってきました。
さすがインドだあ〜。 まったく予想しなかったものを、見せてくれるなぁ〜
窓の外を流れる景色は、平らな平原に、ところどころ、思い出したように大きなゴツゴツした茶色や灰色の岩がドカン、と出現する、まるでドラゴンクエストのように、冒険的な世界が広がっていました。
ほんと、日本とは別世界です。
なんだかワクワクします。この予想外の展開!
人生は、計画通りにいかないから、楽しいんです。
インドでは、自動車教習場がないのかしら?、と疑ってしまうほど、道路を走るすべての乗り物が、我先に突っ込んできます。
二車線道路は、たいてい、四車線の殺気立ったカーチェイスになります。
追い越しが信じられないくらい強引で、急発進、急ブレーキが乱暴すぎます。
前を向いていると、怖くて体が緊張しっぱなしなので、できるだけ、横を向いていました。
「怖い!」ってちらっとでも考えちゃうと、怖くていられないので、「大丈夫、大丈夫」と自分に言い聞かせます。
航空会社が補償してくれるタクシーの運賃は、マドゥライ空港までということなので、追加料金を交渉して、アシュラムまで行ってもらいました。
昨日からほとんど寝ていないというのに、全然、眠くありません。
興奮していたのでしょうね。 窓の外の見知らぬ風景が楽しすぎて、目が離せませんでした。
「マドゥライ空港。」
車が走り始めて2時間くらいたったころ、ドライバーが左側を指さしました。
へぇ〜、さっきのチューチィークリンに比べたら、とっても立派です。 ちゃんと、空港です。
「ここからアシュラムまでどのくらいかかりますか?」
「たぶん、1時間くらい」
もう、時計は17:30近くを指しています。
太陽は暮れかけて、空港のライトが明るく見えます。
19時までに到着したいけど、大丈夫かなぁ。 ドライバーを信じるしかありません。
猛烈にお腹がすいたので、途中でお店に寄ってもらいました。
インドにはコンビニ的なものはなく、田舎町にはきちんと構えたお店さえもほとんどありません。
小さな木造のプレハブみたいなお店(こんなかんじ↓)で、ビスケットを買いました。
懐かしいな〜、インドにくると、いつもビスケットを食べます。
露店で手軽に買えるサモサや、春巻きみたいなのもよく買います。
お買い物のお金の支払いのときの注意。 インドでの、こういう露店的なお店では、お釣りがないと思ったほうがいいです。
だから、10ルピーの買い物に、うっかり100ルピーなんか出しちゃうと、「お釣りがないよ」と言われて、結局、買い物を諦めることになってしまいます。
日本だと、お釣りくらい用意しておけよ!・・・なんて、苦情がでちゃいますよね。
空港などでルピーに換金する時に、うっかり1000ルピー札なんてもらっちゃうと、使える機会がなかなかないかもしれません。(高級ホテルや、高級レストランなど、値段の高いお店なら使えますが)
さて、空港を過ぎ、マドゥライ中心部にやってきました。
タクシードライバーはチューチィークリンの地元の方なので、マドゥライの地理には詳しくないようです。
わたしが手書きで書いた住所の紙を手に、あちらこちらで、道を尋ねていました。
「どのくらいでつきそうですか?」と尋ねると
「あと1時間30分くらい」とドライバー。
うーん、さっき「あと1時間」って言ってた時から、45分くらい経過しているんだけど、さらに時間が増えちゃったな。
仕方がないか、道がわからないのだから。
あ!そうだ!と、彼の携帯電話から、アシュラムに電話をかけてもらって、道を尋ねてもらいました。
電話に出たのはインド人の先生でしたが、地元のインド人ではないのでドライバーの話すタミール語が通じません。 インド人同士でも、言葉が通じないのです。
あら、困った。 わたしは、いまどこを走っているのかもわからず、ドライバーとは言葉が通じない。 私が電話を代わって道案内を聞いても、どこだかわからないし、ドライバーに伝えても、彼は英語がわからない。 あらら、大変だわ。
そうなんです。 インドは確か14言語くらい(だったかな?)あるんです。 だから、地方によって話す言葉が違うから、みんな英語で会話をしています。
学校に行っていない人は英語がしゃべれないので、タクシードライバーやチャイ屋さんなどは、言葉が通じません。
すごいですよね。 山梨と東京の人の、しゃべる言葉が違って、会話ができない、ってことですよ。
「訛り」どころじゃなくて、まったく言語が違うんです。アラビア語とポルトガル語と日本語くらい、まったく違います。 おまけに文字も違うから、同じインド人なのに、違う土地だと文字が読めないんです。 すごいなぁ。
さて、あたりは真っ暗です。
街頭なんてありません。
車は、すごい速さでビュンビュン飛ばしています。
これでよくそんなにスピード出せるね、ってくらい真っ暗です。
もちろん、センターラインなんてありません。
運転、怖くないのかしら。
インドでは、ハイビームルール(対向車がいるときはローにする)がないらしく、みんな、ハイビームのまま運転しているので、対向車が来ると、ライトで前がさっぱり見えません!!
しかも、道の脇は田んぼだったり、森だったりするので、突っ込んじゃうんじゃないか?と、ほんっとに怖かった!
インド人、すごいなぁ。 これで、誰も事故らないのかしら? すごいわ。
さて、
道を聞こうにも、人が歩いていない! 真っ暗やみだし!
わたしたち、100%迷ってるよね、これって。
とにかく、もう一度、ドライバーの携帯からアシュラムに電話をしてもらって、わたしに代わってもらいました。
「そこにタミール語が話せる人はいないか?」と聞くと、なーんだ、いるじゃない。
そのかたに代わってもらって、やっと、ドライバーに道案内をしてもらうことができました。
そこから、わりと近かったみたいです。 暗闇の中、なんとか「ここかな?」というところを見つけました。
やっと、やっと、念願のアシュラムに到着です!! わー! パチパチパチ★
時刻は20時です。
よかったぁ、到着して。 アシュラムは、今夜は遅く到着する人がたくさんいるため、いつもより受付時間を延長してくれていたようです。
はぁ〜、やっと、着いたよー。
苦労してきたから、きっとこれから、わたしのためになることがたくさん起こるんだろうな。
車を降り、荷物を出して、ドライバーさんにお礼を言いました。
そして、交渉した値段よりも少し多くお支払いしました。
本当に、誠実でよいドライバーさんでした。 彼もハラハラしたでしょう。 お疲れさまでした。
この暗闇の見知らぬ土地から、気をつけて無事に帰ってね。
ああ〜、やっと、着いたぁ! 遠い遠い、道のりだったなぁ。
ちょうど、同じタイミングで何人かのかたが到着したようです。
アシスタントティーチャーのかたが、わたしの巨大バッグを運んでくれます。 すみません。
荷物を大部屋に運び込み、まずは受付で手続きを・・・・と向かうと、先客が何人もいて手続きしていましたので、
「では、ひとまず食堂に行ってなにか食べておいで」と、やさしいお言葉をいただきました。
ビスケットしか食べてないので、お腹ぺこぺこです。 やったー!
と、さっきのかたについて食堂に向かおうとすると・・・・
突然、フッ・・・・と、まっ暗闇になりました。
わぁっ!・・・・・、インド名物、「停電」だわ。 本当に「闇」です。 なんにも見えません。
あはは・・・・・、到着から、これですか!
ここまで続くと、もう、全然、驚かないよ。 何が起こっても、全然、平気だよ。 どーんと来い! わっはっはー。
インドエキスパートのわたしは、ちゃんと懐中電灯も持ってます。 スイッチオン。
神様は、とことん、わたしを鍛えてくださるな。
まあ、でも、なんだかこの暗闇も、「ウェルカム」って言われているような感じ。かな。 うん。
よし、困難をくぐりぬけて、とうとう来たぞ。
無事辿り着けてよかった! 私の運命よ、ありがとう!
ほんと、スタートから「試されて」いたなぁ。
(つづく)