さて、今回の伊勢の旅も終わりが近づいてきました。
最終日の朝日を内宮さんで拝み、最後のご挨拶をしたあと、伊勢を後にしました。
快速みえの指定席は、最初はガラガラだったのですが、先へ行くごとにどんどん席が埋まっていきました。
実は、山梨の知り合いで三重出身の方がいて、最終日のその日、そのかたと名古屋でランチをご一緒させていただく約束をしていました。
名古屋駅で途中下車し、偶然にも同じ電車に乗っていた知り合いとホームで落ち合いました。
「どこに行きたいですか?」
という彼女の問いに
「どこか神社に行きたいです。」
と即答したのは、お伊勢さんの余韻がまだあったのでしょう。
彼女は、名古屋で有名な「熱田神宮」へと連れて行ってくださいました。
こちらの「熱田神宮」も天照大神様を祭ってあるお宮さんだそうです。
なんだか繋がってますね。おもしろいなぁ。
こちらの境内でいただいた「宮きしめん」は名物だそう。
つるつるとして、とってもおいしかった〜〜〜。
彼女と「伊勢うどん」のコシのない麺の話をしていたら、隣に座っていたご夫婦が
*「ああ、あれは全然ちがうわね〜」
と、会話に参加してこられました。
「味噌煮込みうどん食べてみたいんですよ〜」と、わたし。
*「ああ、じゃあ、○○ってとこが有名だよ。でも、あそこの味噌煮込みうどんは堅いよ〜〜〜!ほとんど茹でてないんじゃないかっていうくらい、堅いんだよ〜。覚悟して食べたほうがいいよ!」
そうなんだ〜、そう言われると、挑戦したくなっちゃうじゃないですか。
知り合いは、すぐに予定があったので、ほんの2時間だけ一緒に時間を共にしてくれました。
忙しいのにわざわざ来てくださって、いいかただなぁ。
ここまできて会えるなんて、縁があるなぁ。
彼女と別れた後、名古屋城が見たくて地下鉄に乗りました。
大みそかのこの日。
名古屋城は閉館しているのは知っていたのですが、近くに行ってチラリとでもお城を見たいな、と思い、その隣にある名城公園に向かいました。
地下鉄の改札口を出る前に、この改札であっているのかな〜、とウロウロ、キョロキョロしていたら、改札の駅員のおじさんが
*「どこにいきたんですか〜?」
と、聞いてきてくださいました。
「名古屋城に行きたいんですけど、今日は閉まってますよね?だから、外から見えないかなーと思って。」
*「ああ、じゃあ地図をあげますよ、こちらに来てください」
名古屋のかたも、とても親切ですね。
地図で一番の近道と、一番よく見えるポイントを教えてくださいました。
*「どこからきたんですか?」
「山梨からなんですけど、いまは、伊勢から来て、山梨に帰るところで名古屋に立ち寄りました。」
*「ああ、そうですか。わたしは三重の出身ですよー」
「へぇ〜!いいところですねー」
*「伊勢は食べ物がおいしかったでしょ。うまし国、って言われるくらいだからね」
「えーと、実は名物料理は伊勢うどんしか食べてないんです。わたし、お肉などがダメなので。」
*「そりゃ残念ですね!でも伊勢うどんは美味しくなかったでしょう〜。」
「あはは!はい、美味しくなかったです。ごめんなさい」
*「いやいや、地元のわたしらも、あれは観光客の人には受けないよな〜、と思ってますから(笑)」
「あ、そうだ、名古屋で味噌煮込みうどん食べたいんです。このへんにはないですか?」
*「このへんにはないけど、名古屋駅近くにはありますよ。でも、味噌煮込みうどんも堅くて食べにくいと思いますよー」
「そう聞きました。だからその堅いのにチャレンジしてみたいんですよ!」
*「あはは!なるほど。」
わたしも暇でしたし、駅員のおじさんも暇そうでしたので、ひととき、おしゃべりを楽しみました。
親切で朗らかな駅員さんにお礼を言って駅の改札を出ました。
地下鉄から地上に出てすぐにある、静かで明るい名城公園を抜けて、名古屋城周辺をぐるりと一周しました。
名古屋城の中には入れなくて残念でしたが、また訪れる理由ができましたね。
お濠の周りを一周して、隣の地下鉄の駅から名古屋に戻ました。
ちょうどお昼時だったこともあり、待望の「味噌煮込みうどん」は、ウェイティングのお客さんが長蛇の列でした。
乗り換えの時間が迫っていたので、泣く泣く、断念しました・・・。
また、絶対にいつか戻ってこなくては。
名古屋駅から帰路につきました。
途中の木曽福島あたりは美しい雪景色でした。
一年が終わるその日に、たくさんのことを思い出しながら車窓から、幻想的は白銀の世界をぼんやり眺めました。
なんともいろんなことがあった年でした。
その一年だけで、何カ国に行ったんだろう?
一番の大きな変化は、山梨に11年ぶりに戻ってきたこと。
私の中で、なにかが大きく変わったんでしょう。
そして、これからもさらに前進していくはずです。
良い旅は、過ぎてからもずーっと、心地よい余韻が残ります。
いつまでも続くこの余韻に浸り、また訪れる機会が来るまで、素敵な思い出として記憶の中にしまっておきます。
この素晴らしい旅に導かれたことに感謝いたします。
合掌。
長い旅日記におつきあいありがとうございました。
≪ 完 ≫