禅マスター 鈴木大拙のお言葉
二つのものが一つであるというのは、二つのもののみならず、すべてのものが区別なく差別なしに一つの全体であり、
一切のものが始めも終わりもない無限大の円環であると直覚することである。
他方、一つであってそのまま二つであるというのは、その一つである全体が同時に無数のかけがえのない一つ一つとしてはっきり見えること、分別することをいう。
つまり、我々の日常の生活や精神のように、すべてのもの・ことを時間的・空間的に分別して見るのと違って、「今、ここ」のもの・ことのみが実在であって、「今、ここ」と一体になりきることである。
そして同時に、そこから一つ一つをはっきり認識することであり、これを「無分別の分別」といっている。