人生の重荷を背負って死の扉の向こうに行く時が来たら、
人は、親類も友人も召使も財産も持っていくことはできない。
執着する心は動物の心である。
執着を捨てなさい。
この世の幻想の頂点で、どんな激しい喜びを体験しようとも、
再び無明の車輪の上できりきり舞いし、避難場所もなく、苦しみに落ちるであろう。
貪欲を捨てなさい。
我々を取り巻く無限の存在者たち、われわれを親切に育んでくれた親たちは、
ただ幸福だけを求める存在者である。
冷酷な心を捨てなさい。
五官に現れてくる一切は、究極的には無である。
にもかかわらず、われわれは、偽りと惑わしの表象の中で、心理をつかもうと追い求め続けている。
自己呪縛を捨てなさい。
死の瞬間がやってきたときは、心を混乱・怖れ・迷信から引き離しなさい。
偽りの希望やもろもろの恐怖を避けなさい・・・・・
肉体の微細なエネルギーが次第に溶けて行った後に、死の霊妙な心が現れる。
それを清らかな光の道の神髄に変え、そこに微動だににせずに留まりなさい。
ダライ・ラマ