古い映画を、レンタルDVDで借りてきました。
ギリシャのクレタ島を舞台にした物語。
「その男ゾルバ Zorba the Greek」
ゾルバが、ただのおちゃらけた男ではなくて、よかった。
酸いも甘いも、苦しみも愛しさも、いろんな悲しみも痛みも、全部、経験して味わい尽くした後に、
すべてを「手放した」、潔さ、と、エゴのない愛、そして、自分の無邪気さに忠実。
いろんな欲望も、ネガティブ感情も、すべて楽しんでいる。
弱者に対しての大きな愛があり、とはいえ、社会の理不尽さへの怒りはない。
それは、怒りやジャッジメントを超越しているからだと感じる。
ゾルバが、ただの女好き、酒好きのバカ男ではなくて、よかった。
心の残った言葉や場面から、わたしが感じたこと・・・・。
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「あんたみたいに、本ばっかり読んでる人には、善いことと悪いことのジャッジはできるかもしれないが、ハートで感じることはできない。 心と体と声で、表現することはできないんだよ。 そんなやつの言う言葉は信用できないね、俺は。」
きちんとこのとおりのセリフだったかどうか細かいところは忘れてしまいましたが、このような内容でした。
まったくその通りだ。
お勉強ばかりして、本を読みあさって、どんどん頭でっかちになっていって、「本来の自分」とのつながりが絶たれてしまう。
大切なことは、自分の感性を自分自身で表現して、そして、そこから感じることで、先に進んでいくことだ。
「生きる」ということは教科書には載っていない。
それは、「自分を生きる」ということ。
それは、他の誰かがあなたのために、あらかじめ本にして書いているわけがない。
「自分を生きる」ということは、どんな偉人や賢者や聖者の本にも、さまざまある聖典にも載っていない。
それらは全部、昔の誰かの経験談であって、その経験は、その昔の偉い人のために必要な経験ではあったが、あなたのためのテキストにはならない。
なぜなら、昔の偉い人の人生は、「あなたの人生」ではないからだ。
わたしたちは、それらを「参考にする」ことはできる。
「参考にして、自分が感じる道を進む」ことはできると思う。
でも、それらの教えや、誰かの生き様の通りに生きようとすることは、ただのコピーロボットを目指しているだけだ。
だから、大切なのは、「自分というシナリオを生きること」。
それを生きて、表現すること。
誰か昔の偉い人が言ったことや、行ったことの真似じゃなくて。
わたしにとってのヨーガも、そういう存在。
ただの聖典の真似ではない。
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村人たちがこぞって、未亡人に攻撃している場面。
なんの罪もないのに、美しいというだけでたくさんの嫉妬をされ、
どの男たちにも甘い顔をしないという理由で、男たちから憎まれてしまう。
村人全員からの憎まれ役になる女性。
なんという理不尽さ!
わたしは、腹が立ち、そして、ものすごく悲しかった。
でも、世界ってこれも現実。
人々は、個人個人では、善いと悪いの分別がつくのに、集団になっちゃうとものすごい残酷なことを平気でやってしまう。
ひとりだったらやらないはずなのに、みんながいると、残虐性が盛り上がっちゃう。
わたし、本当に許せない。
どんなことでも、なんにせよ、「みんながやってるから、私もやる」・・・・行為が、一番、わたしの生きかたと馴染まないこと。
日本はその風習がものすごい顕著。 日本のここは好きじゃない。
わたしは、わたしのハートに従って生きる。
そして、結局、未亡人はただの「はけ口の無いイジメ」で、殺されてしまう。
ゾルバは、その彼らの極悪な態度を
「やつらは、未亡人のことが好きで、全員、彼女と寝たいのさ。でもそれが叶わないから、愛が憎しみの形に変わってしまっているんだ。」
と、ズバリと真理をつく。
それは、そうかもしれない、でも、なにがそうさせるんだ? 平和ってなんだ?
でも、わたしが怒る場面で、ゾルバは淡々と、その現実社会を分析して、とても冷静に語っている。
すごいな、ゾルバ。
酸いも、甘いも、すべてを経験して、超越した余裕だな。
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「結局、俺らは死ぬんだよ! 人生楽しまなきゃ!」
「なんだよお前は、女にも興味ないし、イルカにも興味ないのか。 本の読みすぎだよ」
人間は、「ワクワク」が失われたらおしまいだよね。
「そんなに深刻にならなくてもいいんだよ! 私たちどうせ死ぬんだよ!」
これは、わたしがしょっちゅう、友人の何人かに言っている言葉。
ゾルバとまったく同じで、笑っちゃった。
ワクワクしていようよ!
そのワクワクすることが、現実的にできるか、できないかは、別として、ワクワク、常にしていようよ。
仕事も、家族も、いま抱えている問題も、なんとかなるんだよ。
絶対に、なんとかなるんだよ。
ダメだと思えば、全部、ダメになるんだ。
だから、ハートのままに、生きるのだよ!
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ゾルバの胸の中で死んだ女性の葬式ができないことを、「ひどいな!」と言われた時。
「彼女はもう死んだんだ。なにも感じやしないよ」
これも、ただのおちゃらけバカ男の口から出た言葉だと、こんにゃろー!となるかもしれないけれど、
それまで、好きでもない彼女のお世話をして、結婚の約束までしたゾルバの口から出てきたから、
やけに、深いなぁ〜〜〜、と感じた。
そうなんだよ。
肉体は、死ぬんだよ。そして、肉体は、彼女の肉体であったけれど、彼女本来ではない。
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あと、もっと、いろいろ感じたのだけれど、長ーい映画だったので忘れてしまったのと、
覚えているんだけど、過激な意見過ぎてここには書けない(笑)
だから、直接会う人にだけ、そのタイミングがあったらシェアしまーす。