呼吸を止めて 唇をかみしめて
顔を歪めている キミ
ギュッと こぶしを握り締めて
キミは ふいに空を見上げ
次の言葉を 呑み込んでいる
目を閉じた キミの唇が 細かく 微かに震えている
胸の奥からこみあげてくるものを
喉のあたりで 押し殺している
我慢しなくて いいんだよ
好きなだけ 泣いたらいい
「泣いてはいけない、泣かないほうがいい」
そう 言い聞かせている キミの心の声が聞こえる
きっと キミは 「泣いてはいけない」・・・と どこかで学んだんだね
「泣かないほうがいい」・・・・?
ばかだな そんなわけが ないじゃないか
好きなだけ 泣いていいよ
キミの涙は キミの持つ美しい「自然」だ
それは「自然」のままに 湧き出てくるんだ
それを 押し殺したら キミは 不自然に歪んでしまうのかもしれないよ
誰かが「泣かないほうがいい」 とキミに教えたんだろう
いや もしかしたら キミ自身が そう 自分に教えこんだのかもしれない
でも なぜキミは そんな不自然なことに
いつまでも 従っているんだい?
泣いたらいいよ
涙を 流しなさい
キミは 美しい
自然のままに 洗い流しなさい
泣いている キミは とても 美しい
キミの 自然な涙に どれだけのひとが 心 動かされるか・・・
不必要なものは なにもない
涙が 必要だから キミは それを持っているのだよ
悲しいときは 「悲しみ」を表現していい
苦しいときは 「苦しい」とぼやいている自分を 許してあげていいんだよ
そして
すべての感情を認めたら
前に 進んでいくんだ
さあ 力を抜いてごらん
そんなに 力んで
ハートをぴったりと塞いで
そして キミは おもむろに 髪をかき上げている
まるで 気持ちを 切り替えるかのように
涙の感情を なかったことに 塗り替えるかのように
胸の重さ
喉の息苦しさ
ハートからこみ上げる あなたの自然な感情を
もっと 歓迎していいんだよ
知ってるかい?
押し殺しても 消滅しないんだよ
いつまでも 溜まっていくんだよ
涙の湖は どんどん 大きく 深く 広がっていくんだ
泣いても いいんだよ
自然のままに 洗い流すんだ
泣いても いいんだよ
ハートを 溶かして