「教えて、ウラジーミル。あなたは私たちの息子に、大きくなったら何になってほしいの?」
「どういう意味だい?もちろん、幸せで良識ある成功者になってほしい」
「あなたのお知り合いには幸せな人がたくさんいる?」
「幸せな人? まあ、完璧に幸せな人というのはほんのわずかだろうな。
誰でも何かしら不具合を抱えている。
お金が十分にない人、家族の問題を抱えている人、さまざまな病気に苦しんでいる人。
だが、わたしは息子にはあらゆる困難をさ避けさせたいんだ」
「考えてみて。 もしあなたが意識的に、みんなが育てられたシステムの中に彼を強制的にはめ込んで育てたら、
そういう困難をどうやって避けられる?
すべての親が、自分の子供の幸せを願っているにもかかわらず、
子供は成長してほかのみんなと同じように、
あまり幸せではなくなってしまうという事実、これには何か原因がある」
アナスタシア第三巻「愛の空間」より
