子供たちの夏合宿でのクラス以外でも、日本語を教えています。
わたしの滞在していた寮の周りをお散歩していたら、たまたま、川に出ました。
その川の真ん中に、お寺がありました。
町のあちこちにお寺があるので、おもしろいです。
このお寺は、川の真ん中に建てられ、橋で陸とつながれていました。
とても小さいのだけれど、地域の人々に愛されている雰囲気のお寺。
わたしも、ひとめで好きになりました。
お寺にはこんなふうに、ダルマさんみたいなお人形が置いてあるところが多くて、
これは、守り神なのだそう。
コミカルでおもしろいです。 かわいい。
目を閉じて、心をこめてお祈りをしました。
ミャンマーの人々の幸福、この地域の人々の安全、
この地にご縁をつないでくださった感謝、わたしがきちんと魂の学びを進められるように祈願、
日本の皆様の無事、わたしの家族の平安、
そして、感謝、感謝、感謝・・・・・。
そのわたしに、ひとりの少女が近づいてきました。
はにかんで、もじもじしながら、そこにいます。
わたしが帰ろうと立ち上がると、ちょこちょこ、ついてくるのです。
「Hello」と声をかけると、嬉しそうにニコニコ笑いました。
手に、ノートや本をたくさん持っているので、なんだろう?と思ったら、
そのノートをわたしに開いて見せてくれました。
そこには、日本語を勉強したあとがたくさん書かれてありました。
ああ〜、なるほど、彼女は日本語を勉強しているからわたしに近づいてきたのね〜。
「日本語を勉強したいですか?」と聞くと、
「YES」と彼女。
「では、ここにこれから毎日お参りに来るので、その時に教えてあげますよ」
と言ったら、可憐なお花が開くように、パァーッと、純粋な笑顔で笑ってくれました。
本当に純粋なこの彼女は、ヤモンさんという17歳の少女で、ユニバーシティで日本語を勉強している、と言っていました。
ミャンマーでは、17歳でユニバーシティーなのですね。 驚きました。
わたしは、毎日、毎日、毎日、毎日、このお寺に夕方、お参りに行きますから、彼女にも毎日、ボランティアで日本語を教えます。
彼女は秀才で、昨日教えたことを、次の日には完璧にマスターしてしまいます。
とても、優秀です。
お兄さんも大学生で、とても、清潔感のある誠実そうなかたです。
彼女は、英語があまりしゃべれないので、たまに、お兄さんが助けに来てくれて、わたしたちは意志疎通をしています。
彼女はとても奥ゆかしくて、とても丁寧で、彼女からもたくさんのことを学ばせていただきました。
わたしのことを、とても尊重してくださり、
そんなにかしこまらなくって、いいのに〜〜、というほど、わたしを立ててくれます。
ミャンマーの文化なのでしょう。
美しいなぁ、と感じました。
ミャンマーのニューイヤーの時に、彼女が出してくれたお菓子。
「モウロウジーボ」
ミャンマーの伝統的なお菓子だそうです。
わざわざ、私に作って出してくれました。「ワタシガ、ツクリマシタ」と言っていました。
この日に着ている服も、彼女が自分で作ったといっていました。
「ミャンマーノ、ゴハンワ スキデスカ?」とか、
「ゴハンワ タベマシタカ?」とか、
会うたびに毎回聞いてくれるので、多分、わたしを夕飯に招待したかったんだと思うのです、彼女。
でも、シャイすぎて、きちんと誘うことができなかったんでしょうね。
わたしも、それをわかっていましたけれど、あえて、それ以上、言わなかった。
彼女もわたしも、お互い、シャイなのです。
わたしたちは、この神聖な場所で、毎日、お互いが学んでいます。
彼女はわたしから日本語と日本文化を。
わたしは彼女から、純粋さと、ひたむきさを。
実際、彼女は本当に純粋で、彼女と一緒にいるだけで、わたしは浄化されていくような気分でした。
どうか、最近の若者たちのように、ならず、染まらず、
彼女の純粋なままでいてほしい、と心から願いました。
純粋が故に不安定になってしまうことも、どうか受け入れて、
彼女のまわりのかたがたが、それを認めてあげて、彼女らしく、可憐な花のままでいてほしい。
「センセイ、ワタシニ、ジャパニーズネーム、ヲクダサイ」
と彼女は言いました。
わたしは、恥ずかしいような、嬉しいような気持ちで、微笑んで
「OK。これは、しゅくだい」と言って、自分を指さしました。
彼女は、嬉しそうにニコッと笑って、「ハイ、ヨロシクオネガイシマス」と言いました。
本当に、なんて、嬉しそうに微笑むのだろう。
天使のようです。
わたしが、彼女にさし上げたジャパニーズネームは
「 澄花 SUMIKA 」
意味は、「純粋で澄んだ花」だと、教えました。
「あなたにぴったりだよ」と。
恥ずかしそうに、はにかんで、もじもじしながら、喜んでくれました。
わたしは、彼女と会えたことで、本当に、たくさんの学びをいただきました。
清らかな、彼女のハートに、わたしは助けられました。
本当に、どうもありがとう。
かわいい、わたしの娘。
出会えた奇跡に感謝します。
引き寄せてくださったミャンマーの神仏に感謝します。
素晴らしい時間をありがとう。
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