今回は大韓航空を利用してミャンマーに来ましたので、ソウル・インチョン空港で乗り換えをしました。
出発まえの時間をどこで過ごそうかなと空港の中を探していました。
海外に出発する直前までお仕事をとても頑張っていて、肉体がとっても疲労していたので、
空港内にマッサージ屋さんをみつけて行ってみました。
・・・・・・・・・・・が、値段が高すぎて、うーーーん、うーーーん、と散々悩みましたが、
やっぱり、手が出なくて諦めて出てきました。
だって、日本の二倍近い値段。
なぁ〜んだ、がっかり・・・・・・。
すぐそこのロビーのベンチに座り、靴と靴下を脱いで、むくみすぎて痛くて仕方がない足をセルフマッサージしました。
ふくらはぎから、足の指、足の裏、足首。
パンパンになっているふくらはぎを、丁寧にもみほぐしながら、ああ、わたしの肉体かわいそうだなぁ、と思いました。
足をマッサージしてあげながら、「ありがとう、わたしの体、ありがとう、わたしの足」と、自分の肉体への愛しさがこみあげてきました。
こんなふうに、労わってあげることがほとんどなくて、ただただ、働かせて、動かせしていて、かわいそうだったなぁ。わたしの肉体。
肉体があっての、人間としてのわたしがあるので、この肉体もきちんと愛してあげなければ、と改めて思いました。
なんだか、じーんとして、涙ぐみながら、自分の足と向き合っていました。
その場所は、こぢんまりとした小さなスペースになっていて、そこにはグランドピアノ(電子)が置いてありました、
一人の男性が、突然、何の迷いもなくまっすぐにピアノに向かってやってきて、椅子に座って、おもむろにピアノを弾き始めました。
最初は、鍵盤を押しても音が出なくて、あちこち、スイッチを探していたのですが、みつからなくて断念して、音は出ないけれど、指と足だけで弾いていました。
音は出ていないのだけれど、その彼は相当上手なんだな、というのが、その動きから見て取れました。
わたしは、足のマッサージをしながら、ちらちらと覗き見をしていました。
その男性は、諦めかけて、鍵盤から体を反らして横向きに座った時、拍子にどこかのスイッチに触ったらしく、立ち上がって向こうに行こうとして手をかけた鍵盤から、突然音が出ました。
わあ!と驚きと喜びの表情を見せた男性は、また、鍵盤に向き合うように座り直し、今度こそはと、弾き始めました。
その彼(日本語が聞こえたので日本人ですね)、なんと、ものすごい上手なのです。
きっと、プロの方だと思います。
最初は、控えめに小さな音で、そして、だんだん、熱が入ってくると大きな音になっていきました。
実を言うと、わたしはピアノの奏でる音がとーーっても大好きなのです。
自宅でのリラックスタイムはいつもピアノの音楽を聞いています。
ですので、この、偶然のサプライズギフトに、とっても胸が熱くなりました。
しかも、その男性は、わたしの好きなしっとり系の曲を情緒的に優しく演奏してくれました。
もう、心がとろけましたね〜。
ああ、ありがたい、なんて、素敵な時間を与えられたんだろう。
神様の粋な計らいに、わたしは、胸がいっぱいでした。
質素なわたしには高すぎて手が出なかったマッサージに、とてもがっかりしていた、疲れ切ったわたしに、
この、素晴らしいプレゼントは、まさに偶然とは言えないタイミング。
今回のこの旅が、わたしにとって善きものとなる暗示だと感じました。
本当に、感謝です。
ありがたい。
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そうなのです。素敵すぎました。
本当に、ふわぁ〜って、心が柔らかくなって、
ふふふ、って微笑みました。