ぶらり・・・・と、実家に立ち寄った。
いつ来ても、どんなときでも、
無条件でウェルカムしてくれる場所。
とてもありがたい。
世界でひとつだけの、貴重な場所だ。
ここ数年、ずっと、苦しそうだった母は、
最近、トンネルを抜けて、また人生の転機を迎えた。
母が笑っていて、明るいと、わたしもとても嬉しい。
「あ痛っ!」
急に口を手で押さえて丸まった母。
「どうしたの?」
「舌噛んだー!」
「食べながら喋るからだよぉ〜〜」
キムチ鍋がグツグツ、こたつの上で温かな湯気をあげている。
なんて、安らいだ夕べなんだろう。
こんな、小さな瞬間に、胸がいっぱいになった。
家族。 ぬくもり。 共に過ごす時間。 赦しあうこと。 愛・・・・・・・。
感謝。 いてくれてありがとう、おかあさん。
小学5年生のころのわたしは、たくさんの趣味があった。
ミニバスケット、
ローラースケート、
愛犬の散歩、
雲を見て過ごすこと、
詩を書くこと、
小説を書くこと、
漫画を描くこと、
ひとり演劇、
木登り、
ピンポンダッシュ(!)。
そして、絵を描くのも好きだった。
とくに、色鉛筆でのグラデーションや、水彩の淡い色彩の絵画。
学校の授業で、好きな絵本を書いてみよう、という題材で、わたしは「いわさきちひろ」を選んだ。
母が大好きで、うちのカレンダーは毎年、この作家さんのものだった。
母が住む、いまのこの家は、わたしが生まれ育った家ではないけれど、
リビングの壁にも、玄関にも、
いまも、この淡い色彩の子供たちが飾られている。
じっ・・・・・・と、ふんわりした少女とみつめあうと、
まるで、かつてのわたしが、そこに佇んでいるかのようだった。
思い出す。 思い出す。 思い出す。 溢れ出てくる。
あったかい切なさが、ハートを柔らかくする。
充電、完了。
愛を、ありがとう。