2015年02月25日

柔らかな少女


ぶらり・・・・と、実家に立ち寄った。

いつ来ても、どんなときでも、

無条件でウェルカムしてくれる場所。

とてもありがたい。

世界でひとつだけの、貴重な場所だ。



ここ数年、ずっと、苦しそうだった母は、

最近、トンネルを抜けて、また人生の転機を迎えた。

母が笑っていて、明るいと、わたしもとても嬉しい。



「あ痛っ!」

急に口を手で押さえて丸まった母。

「どうしたの?」

「舌噛んだー!」

「食べながら喋るからだよぉ〜〜」

キムチ鍋がグツグツ、こたつの上で温かな湯気をあげている。

なんて、安らいだ夕べなんだろう。

こんな、小さな瞬間に、胸がいっぱいになった。

家族。 ぬくもり。 共に過ごす時間。 赦しあうこと。 愛・・・・・・・。

感謝。 いてくれてありがとう、おかあさん。



小学5年生のころのわたしは、たくさんの趣味があった。

ミニバスケット、
ローラースケート、
愛犬の散歩、
雲を見て過ごすこと、
詩を書くこと、
小説を書くこと、
漫画を描くこと、
ひとり演劇、
木登り、
ピンポンダッシュ(!)。

そして、絵を描くのも好きだった。

とくに、色鉛筆でのグラデーションや、水彩の淡い色彩の絵画。

学校の授業で、好きな絵本を書いてみよう、という題材で、わたしは「いわさきちひろ」を選んだ。


いわさきちひろ1.jpg


母が大好きで、うちのカレンダーは毎年、この作家さんのものだった。

母が住む、いまのこの家は、わたしが生まれ育った家ではないけれど、

リビングの壁にも、玄関にも、

いまも、この淡い色彩の子供たちが飾られている。

じっ・・・・・・と、ふんわりした少女とみつめあうと、

まるで、かつてのわたしが、そこに佇んでいるかのようだった。


いわさきちひろ2.jpg


思い出す。 思い出す。 思い出す。 溢れ出てくる。

あったかい切なさが、ハートを柔らかくする。

充電、完了。

愛を、ありがとう。



















posted by ユキ ラクシュミナラヤニ at 20:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 心あったかもの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック