2015年02月09日

グアテマラ その5(ヤシャ遺跡)


グアテマラで訪れた遺跡の中でも、あまり観光客が訪れていないところ。

ヤシャ遺跡。

バスなどはない未開拓地なので、個人旅行ではタクシーでしか来るすべがない場所。

バンを降りた瞬間から、ものすごい獣の叫び声が聞こえて、とても驚いた。

ホエザル、という猿の声のよう。

その名のとおり、ずっと、吠えている。

なにを言っているんだろう・・・・。

わたしはこの遺跡にいる間、ずっと、彼らの感情に聞き耳を立てていた。


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グアテマラ最大のティカル遺跡もよかったけれど、

わたしは、この、人知れていないヤシャ遺跡に、とてもビンビン、感じるものがあった。




荒々しいと表現したらよいのか・・・・、とにかく、すべてがまだ「ありのまま」だった。


いくつものピラミッド型の神殿があったのだけれど、

まだまだ、まだまだ、まだまーだ、発掘されていない数え切れないほどの小山が、

たくさんたくさん、秘められていた。


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かつての神殿は土に埋もれ、草が茂り、木々が根を張り、その下に安らかに眠っている。

なんて、神秘的なんだろう。

魅力的過ぎて、ゾクゾクした。



広大な敷地の中、

目指している場所になかなか着かず、迷い込んだかのように現れた神殿に、

どうしても登りたくなった。



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くたくたに疲れていたのに、登る足取りがとても軽い。

驚きとともに、あっというまに頂上に到着した。




この頂点で、どれくらい時間を過ごしたのだろう。

時間の感覚が、なにもわからなかった。


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とても長い時間、ここに座って、ホエザルの鳴き声を聞いていた。

黄色や赤のたくさんの鳥たちが、バッサバッサと、頭上を通り過ぎていった。

いまだかつて聞いたことの無い、とても美しい鳥の鳴き声を、たくさん聞いた。


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風が、そよいでいた。

太陽が西に傾いていた。

雲が、ゆっくりと流れていた。


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わたしは、2000年前から、この空にいたのだ、と感じた。

わたしは、人間ではなかった。

空を翔る、ものだった。

空からすべてを見ていた。


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湖へと向かった。

空の夕日と、湖面の夕陽が、両方、輝いていた。


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涙が出てきた。

わたしは、かつて昔、この水の上にいて、すべてを見ていた。


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「赤い手」と呼ばれる、ヤシャ遺跡で一番高い神殿へと登った。



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すると、彼が、わたしを出迎えてくれた。

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彼は遠くを見つめ、宇宙の声を聞いていた。




それは、

暮れかけた昼と、始まりかけた夜の、絶妙な融合のときだった。


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美しさに、わたしのなかのなにもかもが、止まった。



満月は、もうすぐ。


グアテマラ39.jpg


(つづく)





posted by ユキ ラクシュミナラヤニ at 00:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 《旅》グアテマラ・メキシコ2015.1~2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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