我が天空の森の裏山にて。
洋服を脱いで、下着も脱いで、
ユキというラベルも脱いで、
「社会」を全部、脱ぎ捨てて、
真っ裸で森と調和しました。
全裸のわたし。
ただの、わたし。
地球の中の、ちっぽけな一部。
地球に心を開くと、優しく迎え入れてくれました。
自然に、周波数を合わせます。
「人間の私モード」では、感じられないことが、とても感動的に感じます。
木の葉が自然に舞い落ちる、小さな音と、かすかな空気の揺れ。
虫の羽音が波うつ、波動。
木漏れ日がユラユラと模様を変えていく、土と落ち葉。
よく目を凝らすと、実に無数の虫たちが生きている、大地。
土のにおい、木の幹の匂い、虫の死骸の匂い、わたしの肌の匂い。
小川のせせらぎが、コソコソ内緒話してるみたいに、わたしの耳までやってくる。
わたしは、地球。
私がどんどん広がっていく。
手放せば、手放すほど、
わたしは、すべてを手にしている。
カリンバも弾いてみた。
音が、まるで音符になって、あちこち飛び回っているようだった。
隣の栗の木が、いまにも、くねくね、ダンスをしそう。
山が楽しそうにしていた。
ここまで来た、森を振り返ってみた。
森の木々の向こうには、我が家がある。
木々の隙間からは、もう、建物は見えないけれど、人間が住む気配はわかる。
丸裸の私がここで。
森の中にひとり立ち、人間界の様子を窺っている。
野生のシカや、猪たちも、こんなふうに、わたしが住む、すぐ裏山で、わたしの生活を窺っているのだろうか。
野生の動物に周波数を合わせてみる。
胸が、わくわくした。
人間って、窮屈だ、と思った。
不思議なことに、
裸だと蚊に刺されないけれど、服を着た途端、蚊が寄ってきたよ。
自然と同化していたんだね。
洋服は「社会」だね。
不自然。
脱ぎすてると、なんて気持ちがいいんだろう。
自然は、なんて居心地がいいんだろう。