ひとり、森へ。
突然、鷹が飛び上がり、目の前の枝にとまった。
わたしは、胸が踊った。
*
*
昨日、
わたしは鷹になり、崖の上からすべてを見ていた。
鷹はわたしになり、崖のしたからすべてを見ていた。
天に暗雲がかかり、闇の世界がやって来たあと、
空にポッカリとシルバーの光が現れ、わたしは、胸が震えて涙が出た。
右掌を天に突き上げ、光を発射すると、
シルバーの楕円の光の中心から、
天はバリバリと裂け、
隙間から青空がこぼれてきた。
そして、平安がやって来て、
私は白龍に乗って空を舞い、
世界のあらゆる場所に、光を振りまいた。
*
*
いま、目の前を鷹が横切る。
二度めの挨拶に来て、去っていった。
セミの声と、虫たちの気配の中、
私は、宇宙を確信する。
すぐそこでは、キツツキが、リズムを作り出している。
わたしは、ここで、すべてを知っている。
深く、深く、
広がっていく。