題名と違い、かなりシリアスな映画です。
感想・・・・・・・。
この映画は、実話だそうです。
本当に、素晴らしかった。
偏見や、もろもろのボーダーを、取り去った「愛」についてがテーマです。
その「愛」に、「偏見」という毒に侵された人間たちが、真実の愛を粉々にぶち壊していく。
とても切なくて、とてもつらいけれど、深い、深い、とても重要なメッセージ性があり、それが、観終わってもいつまでも尾を引きます。
国境や、宗教の境界線を越える・・・・というワンネスの話はよく聞くけれど、
ゲイ、知的障害者、職種、など・・・・そういったことに対しての根強い偏見と嫌悪を超越した、強さ。
目をそむけずに、きちんと、感じてほしいことです。
人間は、ランクなんてなく、命は平等である。
頭ではわかっているつもりでも、それとは違う現実がある。
「正義なんて、ないんだな・・・・・」と、つらそうにつぶやく登場人物のひとことが、とても切なかった。
ハッピーエンドの物語を、いつもせがむ知的障害児のマルコ。つかみかけた幸福感を、頭のよい、地位の高い大人たちに打ち砕かれ、さみしくて、さみしくて、消えていく。
どうしようもないけれど、どうにかしたい、という切なさがこみあげる。
関わる全ての人物が、いわゆるハッピーエンドにはならないけれど、傷つき、学び、気付いたのだと思う。
ドロドロの、人間のエゴや偏見やマーヤ、幻影に封じ込まれていく真実の愛の輝き。
そんな、せつなくて、苦しい物語だけれど、その、ドロドロの中にも、キラリと、小さく光る、盲目になっている人間たちの源の光も感じられた。
ゲイの登場人物に対する、激しい嫌悪を隠さず、公平なジャッジをしていなかった、厳しく冷たい女性裁判官が、切々と訴える二人の姿に真実の愛を見て、顔の表情と、目の色が変わっていくところとか。
ドラッグ中毒で、どうしようもない、最低な母親が、知的障害児のマルコの前では男友達と交わるのを拒むところ、とか。
人間はみな、源は同じように輝き、愛に溢れている。
それが、どんなに世間で最低で、最悪な人間であろうと、
それが、どんなに、頭でっかちで、冷酷で、非情な人であろうと、
忘れていたとしても、見えなくなっていたとしても、でも、誰しも「愛」はあるんだ。
というポジティブな小さな隠れたメッセージも、見て取れた。
それは、わたしの信じている事でもある。
ハッピーエンドではなかったけれど、わたしの心には、確かに、「愛」が響いたし、
悲しかったけれども、怒りではなく、諦めでもなく、
これからの変わりつつあるこの世界に、期待が生まれ、そして、信じる力となった。
皆さん、ぜひ、見てください。いい映画です。
とてもよい役者さん達です。
http://bitters.co.jp/choco/
山梨では、6/27までだそうですよ。急いで!