「モモ」 ミヒャエル・エンデより
時間節約こそ幸福への道!あるいは時間を節約してこそ未来がある!あるいは君の生活を豊かにするために、時間を節約しよう!
けれども、
現実はこれとはまるっきり違いました。
・・・・・いい服装はしていました。
お金も余計に稼ぎましたし、使うのも余計です。
けれども、
ふきげんな、くたびれた、怒りっぽい顔をして、とげとげしい目つきでした。
・・・・・余暇の時間でさえ、少しの無駄もなく使わなくては、と考えました。
ですからその時間のうちにできるだけたくさんの娯楽を詰め込もうと、もうやたらとせわしなく遊ぶのです。
だからもう楽しいお祭りであれ、厳粛な祭典であれ、ほんとうのお祭りはできなくなりました。
