信じられるかな。
昨日、
肉体を持つ前の存在に、戻った。
時間と空間を越えて。
わたしは、日本にちょこっと、帰ったようだ。
どうやって、飛行機に乗らずに日本にちょこっと帰れるのかな、
と思ったすぐあとに、ぐにゃり、とした感覚。
もう、日本にいた。
わたしは、ピカピカ光って、ぴょんぴょんはずんで、自由に飛び回っていた。
高速で、ピューーーーーン、とあちこちに飛んでいた。
空の高ーいところ、空の彼方まで飛び上がったけれど、怖くなんかなかった。
とても気持ちがよかった。
愛に満たされていて、とても幸福だった。
とても、自由で、壁も床もするりと、すべてを通り抜けるから、絶対、事故なんてなかった。
わたしは、存在していなかった。
ただの光になって、飛んでいた。
建物の中に降り立った。
ホールの真ん中だった。
また、ジャンプして飛んでいこうとしたけれど、ほんの50cm飛ぶだけだった。
もがいたけれど、やっぱり飛べなかった。
見ると、足があって、腕があって、重たいからだがあった。
ああ、そうか。
肉体を持ってしまったんだ、と思った。
肉体を持つと、自由じゃなくなるし、飛べないんだ、と思った。
飛べない私がなんとかして飛ぼうともがいている姿を、周りのみんなが見ていた。
わたしは、光だったころの自由な記憶があるので、どうにもこうにも、
「ちっちゃい枠」の自分がもどかしい。
心の通った、愛する生徒さんたちの姿を見かけた。
光ではなくなってしまい、残念だった気持ちがほっとした。
ああ、そうか。
肉体を持つと、自由じゃなくなって、飛べなくなって、寂しいけれど、
こうやって、人間を密に愛することができるんだ、と気づいた。
肉体があるからこそ、愛の表現がわかりやすくできるのかもな、と思った。
ある男性に
「わたしは本当はインドにいて、ここにいるわたしは、ここにいるように見えるけれども、実際の私ではないのです。」
と、説明した。
「信じられないかもしれないけれど、本当なのだ」と。
彼はとても驚いていたけれど信じてくれた。
「もはや、あなたは、世界のために働くべきだ。そして、貧しい国のために働くべきだよ」
と、言われた。
わたしも、そのとおりだと思った。
いろいろな出来事を経て。(割愛)
そろそろ、インドに帰ろうと思った。
生徒さんたちに会う前に、帰ろうと思った。
きっと、インドにいるはずの私を見たら、混乱を招くから。
どうやって、帰るんだろう?
頭で考えたやりかたでは、失敗した。
心のままに、心の力を抜いて、行ったやりかたが成功した。
ふわり、と体が浮いたような感覚と、意識がぶわっ、と大きくなったような感覚の後
わたしは、インドの鳥の鳴き声の中にいた。
夫に話したら、
「テレポーテーションだね」
と、言った。
なるほど。
そのとおりだと思った。
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