神奈川の自宅に帰る時間。
駅からの帰り道。
何通りか、家に帰るまでのルートがあります。
お買い物に立ち寄るお店のある通りや、
ちょっと運動したいときの坂道や、
キャリーバッグじゃないときに通れる、舗装されていない森の小道や、
気持ちが引き締まる、お寺の脇道や、
かわいいワンちゃんに会える住宅街の道など、
その日の気分に合わせて、変えてみたりします。
その日は、ちょっとがんばって、長〜い階段がある道へ。
たまにしか通らないこの道は、ご近所だというのに、とても新鮮な気分になります。
すれ違う、ベビーカーの中の赤ちゃんが、私の顔を見て、パッ!とお花みたいな笑顔になってくれたり、
それをみたお母さんも、私に笑顔であいさつしてくれたり、
真っ白なワンちゃんが、きちんとお座りしていて、優しい目でわたしをみつめていたり、
そのワンちゃんに話しかけて、わたしの気持ちがふんわりとしたり、
横断歩道を渡るときに、白いところを狙って踏もうと、ジャンプしている子供がいたり、
それを真似して、やってみようとしてジャンプして、車に見られてちょっと照れてる自分がいたり、
長い階段の中間くらいで、おじいちゃんがひと休みしていたり、
それを追い越すのもったいなくて、わたしもひと休みしておじいちゃんを観察したり、
空がいつもよりも、高く、広く、感じたり、
風がいつもよりも、やさしく、柔らかく感じたり、
目を閉じて、この夕暮れのせつない時間を味わいたくなったり、
意味もなく「ふふふ」と、笑ってみたり。
なんてことない日常が、とても幸せ。
遠回りして帰りたくなる。
夕暮れの空がとても美しい。
「今日」という日が、尊く感じる。