仕事の合間、渋谷で一時間だけ時間が余りました。
東京は、時間を潰すのが簡単にできますね。
「スイスの絵本画家 クライドルフの世界」
をBunkamuraに見にいきました。

bunkamuraはオシャレです。 まるでヨーロッパのよう。
絵本は子供が見るもの・・・・なんて思われていがちですが、いやいやいや・・・・・大人の目と感性で見るからこそ、その「深み」が理解できるのです。

本当に素敵な作品ばかりでした。
心がほんわか、ふんわり、柔らか〜くなりました。
微笑みが止まらなくて、とても満ち足りた気持ちで鑑賞させてもらいました。
「小さな生き物の世界は私にとって、大きな世界と同じくらい美しく大切だった。」
これは、アーティスト クライドルフの言葉です。
彼は幼年時代から自然の中で花や草木、昆虫をスケッチするのが大好きで、画家を志したそうです。
絵本だけではなく、油絵の風景画も描いていて、とても繊細で、自然の美しさを輝かせて見える素晴らしい作品です。
彼のすべての作品には「愛」が感じられます。
地球への、自然への、小さな生き物たちへの、愛。
それが、鑑賞する人々を微笑ませるのですね。
自画像が描かれたキャンバスには、自分の前に虫たちが列になって歩いているのが描かれています。
虫たちは、先頭は植物の苗を持ち、次の虫は花を抱え、次の虫は実を掲げ、最後の虫はシャベルを肩に担いでいます。
誕生から開花、死までの、生き物の一生を表現しいているのですね。
最後のシャベルは、お墓に埋めるためのものでしょう。
「生き物は自然からの贈り物として受け取り、物語やメルヘンに包み込んだ」
と解説文がありました。
素敵です。
また、会期中にチャンスがあったら、もう一度行きたいな。
いくつか、心に残った解説文をここに書き留めます。
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「バッタさんのきせつ」の「夜の音楽」から
秋の 野原に ひびくのは
しずかな 音色の バイオリン
月明かりの夜は そのメロディーで
時間が うっとり すぎていく
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「花を棲みかに(春の使い)」
命あるものはやがて去り行くが、しかしまた、新たな生命の誕生を告げる
春が巡り来るという、自然の中の死と再生のサイクルが描き出されている。
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「運命の夢と幻想シリーズ」の「運命」
悲しみや心痛にも関わらず、そしてどんな遠くとも、自分が辿らなければならない辛い道のりが描き出されている。
小道は、何百とあるかもしれないが、ゴールまで導いてくれるのはたったの一本の道である。
それは、光輝く魅惑的な道ではなく、むしろ、小さな細道であり、脇には一輪の花を手にした小さな妖精が、不安定な歩道橋の上に腰かけているのである。