空高く
見上げる
やせっぽちでちっぽけな わたし
空高くから
見下ろす
ふんわりまあるい 雲
手を伸ばし
手のひらをかざし 柔かな感触を 貪ろうとする わたし
ゆったりと
するりと 上手に 逃げる 雲
子供の頃
空を見るのが 好きだった
雲が流れるのを いつまでも いつまでも
目で追っているのが 好きだった
子供の頃
飼犬を連れて れんげ畑
仰向けに寝転んで 空を眺めた
風が さわさわと れんげを揺らし
わたしの頬を 撫でて行った
つらいことが たくさんあって
そのまま れんげに変身して しまいたかった
そして
風に吹かれて あの雲の上に ひょっこり 座ってみたかった
子供の頃
いつまでも いつまでも
日が暮れるまで 空を 眺めていた
傍らに 飼犬を 抱いて
いつも 空を見る
お天気が 気になる
夕焼けが 痛いほど 好きだ
朝の陽光は 心地よさに せつなくなる
夏の雲と 力強い太陽に パワーをもらう
星空は わたしを抱きしめ
月は あたたかな わたしの親友
空は 不思議
すぐ そこにあるのに
手を伸ばすと
いつも
するりと かわされてしまう
気がつくと
いつも
そこにいて 遠くから わたしをやんわりと 包み込む