2012年02月07日

熱く語るロンゲの青年



とある飲食店にて。

熱弁を振るう、若いロンゲの男性。

さっきから、ずーーーっと、

右手の2本の指のあいだに、タバコを挟んだままだ。

タバコは、箱から産まれたそのままの姿で、

熱を持たずに、ひんやりとしたまま、

青年の会話とともに、ブンブン振りまわされる。

さながら、ジェットコースターに乗ってる気分だろう。



ああ、

あのタバコ、前後が逆になって指に挟まっているのに、

あのロンゲのお兄ちゃんは、いつ気がつくのだろう。

ああ、

教えてあげたい。

そのまま火をつけたら、一本ムダにするよ、って。

ああ、

直してあげたい。

スタスタと近づいて、パパッ、とタバコをとりあげ、

クルッ、と逆にして、シュポ、とそのまま指に挟み込みたい。

ああ、

ロンゲのお兄ちゃん、

どうして、そうなっちゃったのさ。

早く気がつけばいいのに。



熱く語る、ロンゲのお兄ちゃんは、

シュボ、と指の間のタバコに火をつける。

フィルターに炎が近づき、葉っぱの部分からチュルチュルー、と吸い込む。

ああ、逆なのに。

口からタバコを離し、ふぅーーっ、と出るはずのない煙の幻影を吐き出し、

仲間の会話に熱〜い合いの手を入れる。

もう一口、チュルチュルー、とタバコを吸い込む。

ああ、やっとかよ。

ロンゲのお兄ちゃん、

逆さまのタバコに気がつき、

そいつを、ポイッ、と投げ捨てた。

それはもう、冷酷な態度で。



あああ、

予想通りの結末に、

嬉しいような、残念なような。




posted by ユキ ラクシュミナラヤニ at 07:51| Comment(3) | TrackBack(0) | 日々のあれこれ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
その後、ロンゲの彼は、新たにタバコを吸い直したんでしょうか。
Posted by ゆうこりん at 2012年02月07日 09:51
WWWWW〜〜(^O^)!!

Posted by たく at 2012年02月07日 22:22
ゆうこりんさん
はい、何事もなかったかのように、新しい一本を箱から引き抜いていました(笑)


たくさん
笑えました(笑)?
Posted by ユキ at 2012年02月08日 06:44
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