2010年11月27日

初冬 色

桜並木の交差点

赤茶色の絨毯が 敷きつめられている

車の往来のたびに 舞い上がり 目の前を色で埋める 色づいた落ち葉

まるで のしかかってくる様々な出来事を

するり・・・・とうまくかわしながら 風と戯れているようだ

着地しては 舞い上がり  

風に漂っては 地に戻り

そしてまた トラブルがやってきて 揺さぶられる

ゆらゆらと ふわふわと 上手に受け止めて かわしていく 枯れ葉は人生の達人だ

木枯らしが仕事をし始めるこの季節は

なぜだか 感受性が膨らんで

枯れ葉でさえ ドラマティックなダンスに見える



夜の 黒

寒い季節は なぜ 夜が黒いんだろう

深く そして 濃い 暗闇の冬

光の 白

この季節になると 木々はライトアップされ 白くきらめく

この 黒と白の 相対が うまく調和して 美しい冬の夜を演出している

葉が落ち 裸になり やせっぽちで風に吹かれ 寒そうに見えていた木々たちが 

まるで ウエディングドレスを着た花嫁のように 「別人の自分」を楽しんでいる

よかったね 綺麗なの着せてもらって

心なしか しとやかにみえる 寒い夜の 光の木々たち



昨夜の月は 黄色かった

まるで たまごの黄身のようだった

真っ黒な空の 高いところで

コンコン、パカッ と 生たまごを割ったようだった

ドロリと出てきた黄身は 落下しまいと 必死に空にしがみついているかのようだった

黄色い彼女の 熟れた体は 今にも滴り落ちそうで

両手を差し伸べて すくい上げてあげたくなる

でもそれは きっと余計なおせっかいだと思うから

その手を 胸の真ん中にそっとあてる

トロン・・・と わたしの心が 柔らかく とろけていった


candles1

posted by ユキ ラクシュミナラヤニ at 05:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 詩的なもの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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