先日、電車に乗っていた時のこと。
ちょっと、遠いところまで行く予定でしたので、移動時間が長くなる日でした。
よっしゃっ!・・・と、教科書を持ち込んでやる気満々で、電車の中でバリバリ勉強していました。
今、放送大学で学んでいる学問は本当に面白くて、周りも気にせず夢中になって教科書に書き込みやらマーカーやらしていました。
移動時間が長くても、電車の中が混んでいても、ずーっと座れなくても、勉強しているとへっちゃらです。
わたしは、子供のころから、集中し始めるとご飯を食べるのも忘れて、朝から晩まで没頭してしまうタイプです。
そのかわり、興味のないものにはまったく集中力がなく、あまりやる気の起きない塾や習い事は、全然、長続きしないことが多かったです。
「おまえは飽きっぽい性格だ。」と言われていましたが、自分で「これだ!」と認めたものには、猪突猛進してのめり込んでいくタイプでした。
好きなものだけにしか反応しないという、親・教師泣かせの子供でした。
その点は、いまも、まったく変わりなく、集中するとなにも耳に入らなくなってしまいます。
専門分野にしか興味がないので、テレビも見ないし新聞もほとんど読まないので、世間のことがまったくわかりません。
以前通っていた英会話教室では、時事ネタばかりを毎回話題にして会話するので、わたしにはさっぱり話題が見えず、意見を求められても知らないことばかりなので会話にならず、わたしには学習方針が合わない、と結局、通うのをやめてしまいました。
東京に暮らしていながら、人里離れた山の中に暮らしているような生活です。
そんな、すごい集中力で、電車の雑踏の中で、一心不乱に勉強しているわたしを、はたと、止める「気」がありました。
なにかを感じ、教科書から、ふと、目を上げると、バチッ!とあった視線の先には、60代くらいの上品そうなおじさまのやさしそうな眼差しがありました。
目の奥に深い温もりを感じる、その紳士の眼差しは、夢中になって鉛筆とマーカーを走らせているわたしを、しばらくの間、ずっと観察していたのでしょう。
顔を上げたわたしと目が合うと、おじさまは「ニコリ」と微笑んでくださいました。
わたしもつられて「ニコリ」・・・のあとに、照れくさくなり、下を向いてまた、教科書へと視線を戻しました。
学生・・・と呼ぶにはずうずうしい年齢のわたしを見て、まなざしでエールを送ってくださっていたのかしら。
おじさまのやさしい微笑みが「がんばれよ!」と言ってくださっているように感じました。
見知らぬ方から、突然、プレゼントをいただいたようで、なんだか嬉しくなり、またこっそり微笑みました。
人は、まなざしだけでも他人を幸せにできるんだな、と、そのおじさまから教えていただきました。
心がほっこり、あったかくなりました。
改めて、人間って、いいな、と思いました。

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