ムンバイに滞在中、偶然にも「ガナパティ・フェスティバル」という神様を祭る時期でした。
これは、9/12〜22の11日間続く長いお祭りです。毎晩、街の全体がお祭り騒ぎで、道路はあちこち大渋滞です。

ムンバイは、東京と変わりなく大都市なので、東京の新宿周辺並みのものすごい交通量です。
そうでなくても交通量が多いところに、お祭り騒ぎが加わって、もう、収集がつかない、といった感じ。
本当に、インド人のお祭り好きはハンパじゃなく、「はめをはずす」にもほどがある、というほど、狂います。
それだけ、信仰が厚く、神様を大事にされているんですね。インド国内から、ものすごいたくさんのかたたちが、ムンバイにやってくるそうです。
街では、あちらこちらで、爆竹がバンバンと鳴り乱れます。
こんなにたくさんの人がいる雑踏で、あんなに激しく爆竹を鳴らして、誰もけがをしないのかしら、と思ってしまいます。

さて、そのガナパティ・フェスティバルの最終日の日。11日間のフィナーレは、チュウパティ・ビーチです。
以前、4回も見た映画「スラムドッグミリオネア」のなかで、ひとことだけ出てきた地名です。 あの映画、見ましたか?
余談ですが、4回も見たというのは・・・マレーシアで働いていたころに一回、飛行機の中で一回、インドを旅しているときにイギリス人の旅人のipodで一回、インドの長距離バスの中で一回。
その時々の、心境や状況が思い出されて、せつなく、甘酸っぱい気持ちになります。
そのチュウパティ・ビーチに、巨大なガネーシャ(ガナパティ)像を沈めるのだそうです。
ガネーシャは、わたしたちすべての、祈りをこめる人間のネガティブなものを預かってくれ、それを抱えたまま、沈んでくれるそう。
犠牲になってくれるんですね。 なんて、立派なんでしょう。
インドではガネーシャはサットヴィック(調和のとれた)な存在です。それゆえ、深く崇められています。
最終日のセレモニーがあったその日は、もう、日本から来てくださったわたしの生徒さんたちが帰ってしまっていました。
わたしは突然、通訳とお世話係から解放されて、なんだか、ぼんやりしていました。
「ユキ、お祭りに行くぞ!」と師匠とお世話になっていたご家族から誘われていましたが、どっと疲労が出てしまい、休みたかったのでお断りました。
・・・・・・が!!!
無理やり、連れていかれました!(笑)(失礼!)
ムンバイ全体が、熱気で揺れている、というイメージを受けるこのエネルギッシュなお祭り。
力強いインドのかたがたに圧倒される盛大なフェスティバルでした。

大型トラックやら、ローカルバスやら、戦車みたいな車やらが、目の前でパレードしていきます。
満員電車のように、人間たちがギュウギュウ、押し合いへし合いしながら道路の脇に立って、そのパレードを見ています。

子供たちは、赤い液体を袋に詰めて、それを立っている人々に渡していきます。
「飲んでごらん(ニコリ)」とコップに注がれましたが、いやいやいや・・・ちょっと無理です、病気が怖いです(笑)日本に待ってくださっている方たちがいますので、今回は冒険するの、やめておきます。
道路に立っている人々は、パレードしているトラックやらバスやらの上に乗っている人たちに、その赤い液体を渡しています。
時には、手渡しし、手が届かないときは放り投げます。 というか、投げつけます。
ときに、的を外れた赤い液体の袋は、あちこちで破裂して、そこらじゅう真っ赤になります。

そんな儀式を、興味津津でみていましたら、ひとりのインド人のおじさまが、あちこち連れて行ってくれました。
知らない人だけど・・・・だいじょうぶかな? ま、大丈夫か。
わたしもその赤い液体を、トラックの上に乗る人たちに差し出しました。神様に差し上げる・・・という、神聖な行為なんだそう。それにしては、皆さん、力の限り投げつけてますけど(笑)

その親切なおじさまが、わたしをトラックの上まで、あげてくださいました。
荷台には大きなガネーシャ像がいて、その周りに幼い男の子たちが座っています。
「彼らは全員、プリンスなんだよ」と、おじさま。
トラックに乗れるのは(神様と一緒にいれるのは)、男性だけのようです。
わたし、乗せていただいて、ラッキーだったのかもしれません。 ありがとうございます。

神様のお祭りに、全身全霊をかけ、街中全体が沸き立つ、ムンバイ。
わたしはこれまで、何度もインドに来ていますが、初めての貴重な経験でした。
さまざまなインドを見れば見るほど、ますます、惹きつけられます。
(続く)
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