クリシュナムルティ
夜も昼も
雨が激しく降り続いていた
谷底では 濁流が海に流れ込み
海を 茶褐色に染め上げていた
あなたが浜辺を歩いていたとき
並はずれて巨大な波が押し寄せ
大きな弧を描きながら
力強く砕け散った
あなたは風に逆らって歩いた
突然 あなたは
空とあなたの間に
無がひらけているのを感じた
そこにひらかれてたのは天だった
丘や 海や 人に対して
完全にひらいていること
感じやすくなること・・・
これこそ 瞑想の神髄だ
なにひとつ抵抗しないこと
なにものにたいしても
こころのうちにまったく壁を作らないこと
ささいなものであっても
衝動や 脅迫感や 要求
それらの葛藤や偽善のすべてから
ほんとうに 完全に自由であること・・・
それは
腕を空っぽにして
人生を歩いて行くようなものだ
−−−−−クリシュナムルティ
