というときに、大地がくれる「匂い」が好き。
土の湿り気と、草木のざわめきと、空からの予告のあの「匂い」。
大地が身近に感じられる、田舎ならでは。
生きた地球の呼吸を感じる。
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田植えが済んで、すっかり馴染んだ田んぼに、風がそよぐ。
田の水が、さざめき、うごめいている「波紋」が好き。
波紋は、いくつも並ぶ苗にぶつかり、また新しい波紋を呼び、秩序的にも、無秩序的にも見え、広がっていく。
水面に映る雲や、山々、太陽のきらめきまでもがコラボレイトして、幻想的な模様を創造している。
奇跡のようなこの景色に、自然と、顔に笑みが浮かぶ。
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虫取り網を抱え、虫カゴを手に、長靴を履く子供たち。
オトコ3兄弟。
夢中になって、虫を追いかけている。
こんな、他愛もない日常が、この子たちの未来を形作る要素になっているんだな。
泥んこになって駆け巡って、転んで、すりむいて、いっぱい泣いて、たくさん笑って、全身全霊で喧嘩して。
いいオトコになっていくんだね。
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杖を持ったおばあちゃんがコンビニのレジで支払いをしていた。
手にしていた杖を、わきの棚に立てかけたのだが、カラン・・・・知らずに杖が転んでしまった。
あ・・・・・
離れた所から見ていたわたし。手が届かず。
おじいちゃんが、おばあちゃんの横を通り過ぎる。
よっこいしょ、「はい、どうぞ」と屈んでその杖を拾ってあげたそのおじいちゃんもまた、
もう片方の手には杖をついていた。
不自由な足で、床に落ちた杖を拾うのは難儀だろう・・・と親切に手を貸してあげたそのおじいちゃんもまた、足が不自由で難義だろうに。
助け合う人々は美しい。
胸が温まる。 温まりすぎて、苦しいほど。
「愛」は、大それたことをしなくても、日常の小さな、どんな形でだって表現できるんだ。
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二両編成の身延線に乗る。
必ず!と言っていいほど、誰かがお弁当を食べている。
電車=お弁当、という公式があるかのよう。
ひとりで乗っているかたは少し恥ずかしそうに、ふたり連れのかたたちは楽しそうに、電車=お弁当、を満喫している。
きっと、満員電車の経験はないんだろうな。
この、のどかなかたたちに、東京の殺人的なラッシュの電車なんて、見せたくないな。
ずっと、このまま、変わらずにいてほしいな。
わたしも、今度、お弁当、買ってこよう。
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厚い本を閉じたときの「パタン・・・」という音が好き。
薄い本では聞こえない、重たい本だけが持つ、特有の重厚感のある音。
意味もなく、何度も開いては、閉じてみる。
「パタン・・・」 「パタン・・・」
余韻の残る、心に響く感触。
縁側に寝転んで、障子をあけ、窓から庭に咲く、色とりどりのガーベラを眺める。
そういえば、昨日、母が植えていたな。
麦わら帽子をかぶって、首にタオルを巻いて。
大好きなコブクロのCDを聞きながら。
開け放たされた窓からは、湿り気のある風がそよぎ、もうすぐ来る小雨を予期させる。
風鈴が「チリンチリン・・・」と、穏やかに揺れている。
隣の家の窓を開ける音が聞こえる。
向かいのお宅の、わんちゃんと目が合う。
ゆるやかに流れる、不安も恐れも何もない、平和な時間。
満たされすぎて、このまま、空気になってもかまわない、と感じる。
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なんでもない日常が、幸福すぎて、生きていることに感謝があふれます。
きちんと目を向けてみると、人生には、生活には「愛」が溢れかえっていて、こんなにもたくさん与えられていたのか・・・と、感激します。
合掌
わたしの田舎は福島です。
yuki先生みたいに東京と行き来はできてないです。
先生のブログは、
田舎の空気、人達、光景を鮮明に思い出させてくれ癒されます。
東京には大切な人、友人がいるし、ゆき先生のヨガがあるし
楽しいことがたくさん♪♪
そのお蔭でenjoy できてます
☆☆
ありがとうございます。
コメントありがとうございます。
福島なんですね。
一度、旅行に行ったことがありますよ。
新撰組、五色沼・・・ですね☆
人間があったかくて、感動した記憶があります。
miyukiさんも、同じように、あったかいかたなんですね。
わたしも、東京には大切な人たち、大切なお仕事、大好きな生徒さん達、楽しいことたくさんあります。東京も、山梨も、大好きです。
miyukkiさん、こちらこそ、いつもありがとうございます★